第66話
目を開けると、部屋の中は暗くなっていて。
カーテンすらかかっていない窓から、月明かりが射し込んでいる。
状況を把握するために、ゆっくりとまばたきをする。
…そうか。
少しだけ、休むつもりでいたのに、眠ってしまったんだな。
電気やガスや水道は、大家さんにお願いしていたから、電気は付くはずだ。
とりあえず、電気をつけよう。
思いながら、ゆっくりと立ち上がる。
…と、はらり、と、布が体から落ちて。
「…ブランケット…」
見たことがない、カーキ色のブランケットが畳に落ちた。
「…おはよ…、」
その声がしたほうへ、視線を向ける。
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