10.自殺志望
第18話
「いつまで
手をつないでるの?」
と相田萌。
大学生の二人。
小さな1DKの部屋に
三角座りで座り込み、
手をつないでいる。
「手を放すと
お前がまた手首を切ろうとするから」
と恋人の
斉藤純也。
その言葉に
「もう死なないよぉぉ!」
と萌。
それでも手を握りしめる
純也。
「もう世界は終わるんだから。
みんな核爆弾で死ぬんだから。
だから、何も怖くないよ、もう何も」
そう告げると
にっこりと笑う萌。
エキセントリックな笑顔。
萌はただほほ笑んだ
だけなのだが。
「なんで、
そんなに平然としてるんだよ」
萌の笑顔と
世界に茫然とする純也。
「俺は怖い!
俺は死ぬのが怖い!!」
萌の手を強く
握りしめる純也。
「弱っちいことも
言うんだね」
手を握り返す萌。
「どうやったら
人類が助かるんだ!!
神様!!!」
そう叫ぶと純也は
萌を目いっぱい抱きしめる。
ぎゅうぎゅうに抱きしめ叫ぶ。
「神様ーーー!!
神様ーーーー!!!」
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