10.エンコー目的?

第9話

『ヨウさんはエンコー目的なの? やーらしーんだ! 危うく騙されるトコロだった(^-^)』




ナナからの返信。濡れ衣とはいえ、痛いトコロをついてくる。とは言うものの、




『騙されるトコロだった』




と言う割りに、ナナのメールの文末に置かれた笑顔の顔文字。悪い感情は抱かれていないようだ。むしろ、好印象? 洋次は安心してナナに返信を打つ。




『キミの方こそ、イマドキの女子高生なら援助交際の一つでもしたことがあるんじゃないの? P.S.ちなみに、僕は援助交際はしません。だって、娘に手ぇ出すみたいでキモチ悪いじゃない?』




二人の関係が1ステップ上がった。洋次とナナ、お互いがお互いをちょっぴりからかうようなメール、ぐんと距離を近く感じる。




話してみると、どうしてなかなか、女子高生も話せるじゃないか。いつしかそんな風に洋次は思うようになっていた。




ずっと、日々娘のシビアな態度を突きつけられ、女子高生とやらに大きな隔たり、ジェネレーションギャップを感じていた。年の差なんて……同じ人間じゃない、話せないわけがない。長い間、食わず嫌いだったのかとも思う。

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