第22話

突然頬を張られ驚いた顔をする、その後、冴子が耳をふさぎたくなるような差別用語を吐き出す父。




冴子は耳をふさぐ。




「笑顔の素敵な人なの。私に笑顔を教えてくれたのが彼なの」




再び父の平手が飛ぶ。




「私は子供を産めないの。こんな私を愛してくれるなんて、世界中どこを探したっていやしないわ。彼だけなのよ。私には彼しかいないの。彼の笑顔が私を救ったの!」




泣き叫ぶ冴子。





*****





冴子はつっかけをひっかけ、そのまま男の家のそばの公園に向かう。そうして噴水の水面で涙が引いたのを見て男のアパートへと向かう。

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