第82話

side 遼大





妃愛が学校を早退して朝妃の墓に行くことも

俺や翔馬が迎えに来て逃げる事も想定内。




こうなることはわかっていた。





「なあ、遼大。」




「なに?碧空。」




いつもはふざけていて翔馬と喧嘩ばかりしてる

碧空が珍しく真面目なトーンで話しかけてきた。




「期待していいのかなあ。」




「期待?なんの?」





何に対しての期待なのかわからない。




郁希も悠大もハテナ顔してるぞ碧空。



長年の付き合いがあるから

何を言いたいのか想像できるけど

言葉にして言ってもいいぞ碧空。





「俺たちが来てくれるって期待。

妃愛はさ、俺たちを信頼してくれてるのかなって来た時の反応見て思ってさ。」



「まあ、妃愛の気持ちは本人しか分からないけど望みはあるんじゃないかな?」



「ん、そうだといいな。」






俺は、思ってる。





妃愛が朝妃の墓に来るのは

何かしらのメッセージかSOSだと。






「助けて」って間接的に伝えたいのだと。

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