第75話
『俺は認められない。玖賀、仲野、木崎の
ご令嬢で朝妃さんの妹だから。俺は……。』
『おまえは愛妃って名前の意味
知ってるんだろ?それがどういう意味か』
『わかってます。愛妃の意味は。』
『翔馬は優しすぎるんだよ。妃愛は
確かにご令嬢だけど、全部護られて
生きてたら挫折も何も味あわないで
大きくなるんだぞ?俺はいいと思うけど。』
『でも、もし真実を知ったら…………。』
『朝妃がなんのために作ったのか。
いつまでも護られてるようじゃダメだ。
あいつがいないんだから代わりに
世の中の厳しさも楽しさも教えなきゃ。』
『遼大さん………。』
『おまえが背負う必要はない。
妃愛に自分で決めさせたらいい。
ただ、泣かせたり傷つくようなことが
あったら速攻やめさせるけどな。』
そう。妃愛は朝妃の妹だ。
訳あって玖賀では暮らしてない。
翔馬は妃愛にこれ以上傷ついてほしくない
って思ってることはみんなわかってる。
俺もそう思ってる。
けど、乗り越えないといけない壁を
通らせないのはどうかと思う。
これこらの未来を考えれば
誰も傷つかない未来なんて存在しない。
向き合う事を恐れたら何も始まらない。
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