第4話

『妃愛?ひーめちゃん。』




そっと、わたしを呼んだ人が抱き上げる。




その人の顔をゆっくり見上げる。





『妃愛、あっくんだよ。』



『あっくん…………。』




あっくん、あっくん、あっくん。




『ひめには俺がいるから大丈夫。』



『うん。』



『ひめのためにな大切なもの作ったんだよ。』



『たいせつ?』



『そう、大切。ひめのことは

連れて行けないけど、大切なもの。』



『たいせつ………。』




あの時、あっくんが言った

大切の意味をようやく、知ったよ。




やっと、知ることができたよ……。

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