第53話

病院について、緊急帝王切開がはじまり

颯大は意を決して、梨絵子の兄であり


颯大の父親である人に連絡をとった。





『もしもし?どうした?なんかあるのか?』




仲野グループの社長をしている父親は

忙しいのは知っていたが電話をかけた。



なんて、切り出そうか、そう悩んでいた。





『颯大?用がないなら切るからな?』




『待って!大事な話があるんだ!!』




『なんだよ、大事な話って。』




ふう、と呼吸を落ち着かせ切り出した。



落ち着け自分、落ち着くんだと言い聞かせ。





『父さんの妹、梨絵子さんに会った。

それで、今、病院にいる。梨絵子さん

妊婦でそれでいま、出血して帝王切開になった。』




『まてまてまて、梨絵子?妊婦?』




『どうしたらいいかわからない。

とりあえず、病院きてくれないかな?』





わかった、そういった父親。



不安と恐怖と戦いながら待った。




"史哉さんの最後の子どもどうしても産みたい"



"女の子、史哉さん望んでなかったから…

私はどうしても史哉さんとの子ども……

女の子がほしいの、ママになりたいの…"



"颯大、私との秘密。約束して………"


"この子の名前、妃愛にして。妃愛ってつけて。

颯大よろしくね、頼んだよ……"



子ども達全員愛してる。勝手なお母さんで

ごめんなさい………幸せになって……




泣きながらうわ言のように言ってた梨絵子さん。





現実ではなく夢を見てる感覚だった。

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