第8話

そんな時だったんだよ。



おもちゃ屋さんの前で小さな赤ちゃんを

抱いた母さんを見つけたのは。




隣には、カッコイイ男の人がいてさ。





知らない男と子ども作って母さんは

出てったんだとおれ、思ったんだよ。



捨てられた、そう思ったんだ。





母さんは幸せそうなのに、おれは

長男で若頭にならなきゃいけなくて

毎日プレッシャーに潰れそうだったのに。



子どもを抱いて幸せそうに笑ってる

母さんのこと俺は許せなかったんだ。




憎くて、憎くてたまらなかった。





だから、街でも家でも倉庫でも狂ったように暴れた。






あの頃の俺、目つきも態度も怖かったよな?




親父も何があったんだ?って表情してて。



妃響たちも荒れ狂う俺をみて困惑しててさ。



悠妃なんか完全に俺のこと化物をみるような

目で見てたんだよな。




そんな目で見られるのは、辛かった。


だけど、暴れてないと母さんと子どものこと

思い出して苦しくなるから暴れてた。

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