第629話

『話すことがある。』




うん、それはわかってるよ、裕貴。


その内容がおれたちは気になってるんだ。




話すことがある、と言ったっきり


裕貴は黙り込んでしまって。



無言の空間が長く続く。




悪い話?いい話?どっちなんだ?


そんなに眉間にシワをよせてどうしたんだ?





『裕貴、おれがわるいのか?』



親父が突然そう話し出す。



裕貴はなにやら考えている様子で。


親父の顔を見ては考え込んでいる。





『誰が悪いとかじゃないんだ。』



そう、言い出したとおもったら


また黙り込んでしまった、裕貴。




裕貴のマナーモードの携帯が


震えているが、気づいていない様子。

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