第595話

side 裕貴



病院にきたのはいいけど、合わせる顔が


なくて帰ろうと引き返したら咲美愛の


彼にあって、連れ戻されてしまった。




咲美愛の彼はちょっと強引だけど


しっかりしている子だなと感じる。




"ちゃんと咲美愛と話してくださいね。"



"咲美愛は待ってますよ。"




そう言って立ち去る咲美愛の彼氏。


ふう、心を落ち着かせてドアを叩く。




ちゃんと話せるのだろうか。




ドアを開けたら、そこには希美がいて。


あちゃーかぶっちゃったかって思う。




『なんで別々にくるの?まさか離婚?』




おまえの頭の中はどうなってるんだ。



少し、呆れてしまう。まぁ、それだけ


元気なら安心した。




咲美愛に会った日から、実は希美と


話していない。長年夫婦でいるけど


これほど希美の考えてることが


わからない日はなかった。



希美は何を感じて何を思っているのか。

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