第308話

慌てて、腕を掴みいう。



『どういう意味だ。』




『いいよ、わからなくて。』




『おい、咲美愛。』




『きょーちゃんは私なんか生まれて

こなきゃよかったんでしょ。』





思わず、ハッとする。



今日は、咲美愛の本来生まれて来る日だった。





1993年7月7日は七夕の日であり、


咲美愛の出産予定日だった。





だから、夜いなかったというのか?


姉ちゃんに話しかけていたのか?





『もう、いいよ。自分がバカみたい。

こんなに七夕の日が特別な日なのに。

説教なんか、されて。バカみたい。』



『どうせ、忘れてたんでしょ。』



『もう、いいよ。惨めになる。』




そう言って咲美愛は出て行ってしまった。




咲美愛にとって、七夕の日は特別。


知らなかったわけではなかったのに。




俺は、またやらかしてしまった。

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