願いと現実と。

第305話

side 恭吾



咲美愛がまた、いなくなったと


当直室に電話があった。



慌てて、病室にむかう。




今日は七夕の日で。


咲美愛には特別な日で。




そのことを俺は忘れていて


咲美愛を叱りつけた。




裕貴がいない今、父親かわりにも


ならないといけないって思っていて


夜、いなくなった咲美愛の頬を叩いた。




どれだけ迷惑かけたら気がすむ?


どれだけ心配されたら気がすむ?


どれだけ怒らせたら気がすむ?




イライラがとまらないまま、夜があける。




昼間、カンファレンス室を借り


咲美愛と2人で話す。

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