第286話

『みんなが羨ましい。お母さんがいて

羨ましかった。でも、言えなかった。』



『うん。』



『いったらみんな疲れちゃうから。

お母さんのこと思い出しちゃうから。』



『姉ちゃんは思い出してほしいって

思ってるかもしれないよ?』



『そうかなぁ。』



『きょーちゃんはどこもいかない?』



『いかないよ。咲美愛を置いて

いくわけないだろう?』



『そっか。』




咲美愛が1番怖かったことは誰かが


いなくなることだったのか?




『りょーちゃんとか来てるね。』



『は!?』




どうやら咲美愛にはバレていたらしい。


いつから気づかれていたんだ。

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