第213話

夜、体の上を歩くもので目がさめる。



俺の体の上に大量のゴキブリが

歩いていたんだ。




ギャアアアアと、叫ぶ俺。




立った瞬間にぐにゃりとなにか踏んだ

感覚がして恐る恐る視線を向ける。



俺の足に潰されたゴキブリの死体。




そして、さらに叫ぶおれ。


ギャアアアア!!!!!




不覚にも涙が出てきて号泣。




『なによ!こんな時間に叫んで!!

いい加減にしなさい!!!』


怒る、母親と泣くおれ。




兄弟全員が起きてしまった。



『なんだよ、将浩。寝てるんだけど。』




姉貴も兄貴もみんなおれに怒る。




だって、だってゴキブリが。


もう、涙はとまらない。


ぐにゃりと踏んでしまった。


感触が気持ち悪すぎて。




『まさにい、ないてるの?』



まだ5歳だった恭吾も起きる。


時刻は深夜2時半だ。

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