信じたくない言葉

第130話

咲美ちゃんが家にやってきた日。




信じられない言葉を聞いた。


嘘だ、嘘だって言ってよ。


美緒、美緒…うそよね。




『わたし、全部知ってる』




みんな、口を開けない。


ずっと、口に出すことはなかったの

だから。タブーだったから。


驚く、そして同時に悲しくなる。



あぁ、知ってしまったんだと。



どうなってしまうんだろう?


咲美、どうおもったの?


いつ、いつから知っていたの?




聞きたいことはたくさんあるのに

言葉がでてこない。


まだ、知るには早いのよ。



まだ13歳、色んなことを背負うには

はやいのよ。まだ、まだなの。



わたしはその夜、夜勤で呼ばれたと

嘘をついて、美緒のお墓へ向かった。




美緒、どうしたらいいの?


そんなことを思い頭の中で

グルグル渦が巻く。

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