アヒルの闘い

異変

第65話

おばあちゃんの家に暮らして

1か月がたった。



あの日、帰ってきたみんなは

目が真っ赤だった。


そして私に言ってくれた。



『咲美愛、がんばったね』と。



ちょこちょこ、家には帰って

いるが拓望やパパは私と

口を聞いてくれない。


わかってるよ。怒ってるよね。



ごめんね。でもね、わたしもつらいの。



パパ?しってる?わたしパパの妹

だって知っているんだよ?


拓望?わたしは拓望の妹なんかじゃ

ないんだよ?叔母さんなの。



ごめんね、ごめんね。


傷つけて、ごめんね。



こうすることでしか、わたしは

わたしでいることができないの。



拓望?知ってる?わたしね。

パパに望まれていたわけじゃ

ないんだよ?


あのノートを見たときどれだけ

ショックだったか知っていますか?



今までの幸せが全部嘘だったの?

そう思ってしまったんだよ。


ごめんね。拓望。優しい拓望。

ごめんね。酷いことして。

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