偽りと優しさと

第40話

『咲美〜?帰ってるの〜?』



ママが帰ってきた。



心はドロドロだ。私は偽りの

自分を演じることをはじめた。



『なに〜??』



『咲美がね、好きなプリン

買ってきたよ。食べよう。』



『うん、たべる!!』



ママに偽りの笑顔を向ける。

今にでもすぐ泣きたい。



『咲美はプリンが好きだね』


『甘くて美味しいじゃん』



『まぁ、そうだけどね。

ママはゼリー派だなぁ。』



『えーーーープリンだよーーー』



『パパはヨーグルト派だなぁ』



ガチャリ、ドアが開いて

パパが帰ってきた。



『なにしてんだ?揉めてんのか?』


『プリンかゼリーか言ってた

だけだよーーーーーーーー』



『ふっ、揉めてんのか(笑)』




ねぇ、パパその笑顔は本物?


私はつらいよ。知っちゃったんだよ。

ねえ、教えてよ…パパ。





(私は必要ですか?)



(どうして育ててくれてるの?)



(謝罪のつもりですか?)

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