第89話

妃愛:「病院…の、付き添い……してくれる時にいつも言ってるから…知ってると思うけど…受け入れてくれてありがとう。」


父:「……ああ。」


妃愛:「パーパ!泣きすぎっ!わたし生きてるよ?死んでないからね!」


父:「死というものは間近で何人も見てきたがな――生きる為に、命をかけて……闘うの……はじててなんだよ。だから、父さん…は不安でたまらない。」



生きるか、死ぬか。


そういう世界で生きている俺たち。



いつ、死んでもおかしくない。

今日かもしれないし、明日かもしれない。

何年後かもしれない。


常に死を頭に入れて生きている。



そんな俺達に……とって……


生きる為に闘って

生きようとする、妃愛の存在は

はじめての存在で。


これまでの概念を覆すようなもので。



より一層、死ねない。


妃愛を極道の世界に引き入れたからには、何がなんでも護り通す。



死んでたまるか、そう思う。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る