第72話
──────……
あつい…。
塾終わりのいつもの帰り道。
季節は梅雨が明けると一気に暑くなりだす。
清楚で上品なイメージらしい南高の制服も半袖の白のセーラーにとっくに変わっている。
白というよりアイボリーに近いそれはスカートも生地が冬物より薄くなっているのに暑さを凌げてはいない。
もうすぐ夏休みだというのに、そもそもその前にはテストがある。
というか、どうせ夏休みも塾に行くんだから学校に行くことと大して変わらず…。
相変わらず学校と塾と家の往復なわたし。
『お醤油がないから、帰りに買ってきて頂戴』
母親からのメッセージを見て、コンビニが家の近くにあるんだから、面倒がる距離じゃないし自分で行けばいいのに…などと思う。
まあ、そんなことを言い始めると、わたしは通り道なんだから寄って帰るだけで、それこそ面倒がるような事じゃないってな話になるんだけど。
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