10.ステージと交錯

第10話

つぶらな瞳が

瞬きした。白い

真珠のような肌。

くすみ一つない。

丹念に磨かれた容姿。


『姉貴はいいよ。

メイクで顔面偏差値を

底上げできるから。

男の俺はそれができないから、

ただの凡人』


再び――


ステージの上

朱理扮した薫の

汗が飛び散る。


キラキラ

衣装に映え

宝玉のよう。


男にしては

可愛すぎる朱理のダンス。

必死に覚えた

口パクをする。

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