第13話 お願い 1




結構可愛い女のお願い。


それは・・・。


「ホテルに行きたい。」


だった。



* … * … * … * …* … * …* … * … * … * …*





「わぁー・・・・。スッゴイ綺麗ーーーーー」


・・・・・・。


ノリでホテルに来ましたけど。


コイツ、・・・・そういう感じの女には見えねーけど。


結構ビッチなのかな???



まぁ、俺はラッキーだけど!!


ソファーに腰掛け、帽子をテーブルに置き煙草に火をつけた。


「ねっねっ・・お風呂スッゴイおっきい!入っていい??」


・・・・・。


「どーーぞ!俺は後で良い!!」


何々??結構手馴れてる?


女はちゃっちゃと奥の脱衣所に入ってドアを閉め、カタカタ音が鳴ったと思ったら、


直ぐにシャワーの音が聞こえてくる。



・・・・・・。


はぁー・・・・。


久々だなーー・・・



可愛い女・・・・。


ってか・・まぁ・・・可愛さで言ったら今までで一番か・・・。


ちょっと難ありって感じだけどな。


タバコを消しベット脇のゴムを見ると・・・。


2個。


2回は出来るって事ねーーー・・。


ラブホなんて久々・・・・。


久々来ると結構新鮮だな。







──瑠衣side



お風呂に入って一瞬酔いがさめる。


私何やってるんだろう。


大輔が出てってもう直ぐ2カ月が経つ。


いつまでもその思い出にしがみ付いて、挙句の果てには知らない男とホテル。



どこの誰なのかもよくわからない。


ただ・・・格好いいってだけの男。


でも・・・、こんな事初めてするけど・・・・。


私、今フリーなんだし・・・。



別に良いかもしれない。


大輔以外とはHしたことないけど、経験を積むのも良いのかな。


Hは好きな人とだけってポリシー・・・


要らないポリシーだったのかな。


チャプンと浴槽に顔を付けて目を瞑った・・・・。





お風呂から出てタオルを巻きスッピンの顔を眺めた。


なんかーー・・おっさないな。


もっと、キリッとした綺麗目な顔が良かったな。



洗面台に置いてあった化粧水をつけパンパンと顔を叩いた。


すると・・・



ガラッ!!!

と、勢いよく脱衣所のドアが開いた。



わっ・・///////


思わず撒いてるタオルをギュッと掴み胸の谷間を隠したッ・・・


「おっ!いいねーーッ俺も入っていい?」


・・・・・。


「う・・うん・・・/////」



壁の方を見て言うと、男は私の後ろで多分・・・服を脱ぎ・・・



・・・・・///////


私の視界が暗くなる。


眼球だけ動かしチラッと視界ギリギリで男の方を見ると綺麗に割れた腹筋ッ・・・・


多分男は私を囲む様に両手で壁に手をついて私の頬にキスをした///////



「照れてんの?」


・・・・・・////////


「照れてないわよ・・・早くッ・・・入ってきたらッ?//////」



ギュッと目を瞑って固まったままそう言うと・・・


ふっと一瞬鼻で笑われッ・・・


またチュッチュと私の頬にキスをしてお風呂に入って行った。



わっ・・・


笑われたッ・・・・・





──湊side



何あの照れてる感じ。


全く読めねーし。


ホテルに行きたいって言ったのあっちだしっ!!


・・・・・・。


結構胸あったな。


スッピン超可愛いし。


アイツこそ宝の持ち腐れじゃねーかッッ


俺は急いで頭を洗って体を洗う。


浴槽はーー・・・いっか!



ちゃっちゃと風呂から出て、体を拭き・・・ドアを開けベットの方を見ると・・・・。


布団がこんもり膨らんでモソモソ動いてる。


よしよし・・・。


すーーぐ気持ちよくしてやっからなーーー。



腰にタオルを巻き脱衣所から出てベットの方に行くと・・・。


女はベットに潜り込んだままこっちを見なかった。


タバコを持ってきて火をつけると・・・・。


「ねぇ・・・/////」


女は顔だけ出してそう言った。


・・・・・・。


「なに?」



灰をポンポンと灰皿に落としチラッと女を見ると・・・。



「お願いがあるの・・・・・。」


・・・・またっ?!・・・・・




タバコを消し布団を捲って女を抱き寄せた。




ん???


えっ?!


女は俺の胸に顔を付けて・・・・



ヒックヒック泣き出した!!


うっわーーーーー・・・・・


超うっぜーーーー・・・。


なにこれなにこれ!!この期に及んでやっぱできないとか???


でも、ここでそれ言ったらマジで出来ねーし・・・・。


ここは紳士を繕う!!


俺は女を抱きしめ・・・ムニッと柔らかい胸が当たってちょっと興奮。



「何泣いてんの?どうした?」


ってーー・・マジ早く始めようぜ。


女は俺の背中に手を回し・・・・



「ごめんね・・・あのね・・・・」


やっぱ帰りたいは言うなよッ???


「なに?なんでも聞いてやる・・・言ってみ?」


女を上に乗せ背中を撫でた。



うっわーーー・・俺の先端にアソコが当たるーーーッッ



このまま入れちゃおうかな。


「私・・・あの・・・・」


なになに??


早く言え!!


そして早くやるぞ!!



こんなに泣いてても直ぐ気持ちよくて鳴くんだろ?


て、その時の俺はとにかくHすることしか考えていなかった。


改めて考えると、俺ってマジ最低。



女は、


「2カ月前に・・・付き合ってた人が出てったの・・・。」


泣きながらそう言った。


・・・・・・。


は?


女の背中を摩る手が止まった。


女は涙を拭きながら俺の顔を見て・・・・。


「忘れられないの・・・・。大好きだったのに・・・お金とか家具とか全部持って逃げられたの・・・。」


・・・・・えーーーっと・・・・・。


えっとー・・・それって・・・。


女は拭いても溢れてくる涙をまだ拭きながら話し続けた。


「だからね・・・忘れたいけど・・・・でも・・・頭から離れなくて今も頭の中に大輔がいるの・・・。」


大輔だとッ????


って・・・


俺はそのーー・・出て行ったバカな大輔って奴の代わり??



「ごめんね・・あの・・・」


代役???


沸々と湧き上がってくる虚しさ。


でも女は俺の首に手を回し・・・・。



「忘れたいッ・・・・////お願いだから・・・・今夜だけで良いから忘れたいの・・・・」


・・・・・////////





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