第32話

09:「……!?

そうか、そんな手もあったか……。」



玉座に退屈そうに座っている男。


普段この場所にいるときは、こんな姿勢は取らないのだが……今日は違った。


ルーク達が来たからだ。


ルーク達はアルビオールに乗って世界を旅している。


いままで、羨ましく思ったことはなかったが、陛下が私室で飼っているブウサギ。


その内の上等の首飾りを付けているブウサギを見つめているうちに、


「……!?

そうか、そんな手もあったか……。」


と。



「どうされたのですか陛下?」


数日経って、マルクト領土内で探索をしているルーク達を。兵士が見つけて呼び止めた。


『陛下がルーク達を見つけたら、宮殿まで来てほしいと』


というわけで行ってみれば、


「私も旅に同行する」


謁見の間全体に聞こえるように告げた。


これなら会いに行ける。


久しく会っていない、女性の顔が頭に浮かぶ。


「お断わりしますv」


「……」


なんてニッコリ微笑んでそんなセリフを吐くのはルークではない。


会いたいの女性の兄。


「話はそれだけですか?

では、私たちは忙しいので行きますよ。ルーク?」

「う、うん」


…人の心を読んでるのか?

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