第43話





「………天然かよ。」



「………?」





小さく天野さんが口を動かして何かを呟いたが、上手く聞き取れない。





「……すみません、今何か言いました?」



「…何でもねぇ。」





げんなりとしながらも天野さんは私から顔を背け、新しい煙草に火を付け静かに吸い出す。







ーーーその耳が少しだけ赤かった。

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