第15話 嫉妬

愛が一向に

チャットをやめない…。

そういう天斗も楽しくて

夢中になって

いるのだが


愛からパソコンを

取り上げたい

他の誰かと

出逢って欲しくない…。

誰にも渡すものか…。

愛は僕だけのもの…。


天斗は不安で

たまらなくなっていた

以前の愛と

変わって来てる事を

恐れていた


愛はそんな天斗の

気もちはつゆしらず

チャットが

楽しくて

夢中になっていた


天斗はとうとう

感情が抑えられず

つい…

愛のパソコンに

ウィルスを

バラまいてしまった


『なに?これどういう事?』

愛が騒いでいる


天斗は黙って家を出た

 

 ―僕の言葉を無視するからだ―


急な出来事に

愛は戸惑っていた…。



『ただいまー』

天斗が帰って来た


今からパソコンの

ウィルス駆除するわ~


うん、お願い。


天斗はパソコンに

超~詳しいのだ


迷惑をかけた

~さん家にも

これから行って

ウィルス駆除するわ!


まるで

今回のウィルスの原因が

私のパソコン

であるかのように

天斗は言った


まさか???


―天斗がウィルスをわざと

  感染させたってこと?―


天斗は愛が

楽しそうにしていると

気分を害して

壊そうとする所がある


そういう所

愛の母親とそっくり


愛はいつも

母親からもそうだった


仲良しの友達を

家に連れて行くと

必ずその友達が

もう愛ちゃん家には

行かないって

嫌われてしまう


最初はなんで?

って思って

思い悩んだことも

あったが

ある友達に言われて

そのからくりを

知ってしまったのだ


愛の心が

暗くなり始めた…。


ココロが心配している

『愛ちゃん大丈夫?』


う~んん…。

でも、負けない!

って自分に

誓ったもんね

こんな事で

私は諦めないわ!


愛は以前よりも

かなり

早いスピードで

立ち直れるように

なれている

だいぶ打たれ強く

なってきたようだ


天斗は

付き合っていた頃も

愛の会社の飲み会に

行く事も

いつも反対してて


21時には迎えに行く

ってお店の前で

待っている人だった


たまたま天斗が

愛に電話をかけて

すぐ出なかったときも

『どこに行ってたんだ!』って

激怒するひとで


今現在も

携帯電話も

毎日、天斗に

チェックされて

この待ち受け画面は

どうした?って

責められる事も

しょっちゅう


天斗は

愛を管理してないと

安心できない

そんなところがある


まるで

籠の中に

閉じ込められている

鳥のような

愛でもあった


今回のウィルス騒動で

愛の中で

チャットへの熱は

冷めてきた


でも

その事で

天斗への不信感が

つのり始める


わたし…

このままで本当に

いいのだろうか?



 






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る