第4話:亜乃瑠(あのる)はバイオロイド。

「タッちゃん・・・いつまで駄目代ちゃんと話してるの?・・・ここタッちゃんの

お家じゃないんでしょ?・・・れっきとしたおうちに帰ろうよ」


「あ〜分かった、分かった・・・駄目代ちゃん悪いね後は君に任せるから」

「僕はこの子を連れて帰るから・・・よろしく〜」


「古賀っち・・・くれぐれも気をつけてね」


「駄目代ちゃん、もし僕が殺されたら研究は君が引き継いでよね・・・んじゃ〜ね」


古賀っち・・・立照は亜乃瑠あのるを連れてルンルン気分で自分の家に帰った。

帰る最中、とりあえず用心しながら帰ったが誰かに襲われることもなく無事に家に

たどり着いた。


立照はまだ若いくせに一戸建てに住んでいる。

それやまあ、サラリーマンとは大幅に稼ぎが違うからね・・・。

立照の家は静かな郊外にあって一人住まいだけどセキュリティーの行き届いた

めちゃデカい家に住んでいた。


「へ〜ここがタッちゃんのお家?・・・大っきいね〜すごいね〜」


「入って、入って・・・」


「たらいま〜・・・お帰り〜私〜」

「お帰り〜タッちゃん」


そう言って亜乃瑠あのるは立照を思い切りハグしてクチビルにチュってした。

ハグとチューが好きな子だ。

まあ、立照も悪い気はしない、どころかめちゃ嬉しかったりして・・・。

いきなりのダイブさえされなきゃハグやチューなんていくらしてくれてもいい。


亜乃瑠あのるちゃん、お腹空いてる?」


「うん、空いてる・・・もうペコペコ」


「そこのソファにでも座って待ってて・・・すぐに晩ご飯にするから」

「こだわりのペペロンチーノ作ってあげるからね」


一人暮らしだから自炊が得意だった立照・・・さくさくと晩ご飯を作りながら

思った・・・これって夢じゃないよな・・・亜乃瑠あのるはここにちゃんと

いるんだよな。

そう思ってソファの亜乃瑠あのるを見た・・・そしたら彼女は立照を見て

投げキスをした。

立照はそれをクチで受け取って飲み込んだ。


でも一体誰がこの子を実体化したんだろう?・・・並みの技術じゃないよな。

僕に抱きついた時の体重から見て亜乃瑠あのるちゃんはロボットやガイノイドじゃない・・・だからバイオロイドってことになるのかな?。

そうじゃないと僕は亜乃瑠あのるちゃんの体重でとっくに潰れちゃってる

からな。


立照はまた亜乃瑠あのるを見た。


たしかにそれは、フードル・可愛 亜乃瑠かわい あのるだった。


立照はふといかがわしいことを考えた。

バイオロイドなら亜乃瑠あのるちゃんはエッチも、ちゃんとできちゃったり

するんだろうな?

男なら素朴な疑問だ。


なんせ亜乃瑠あのるちゃんはフードル「風俗アイドル」なんだし・・・エッチ

できないとそれはフードルとは言えないじゃないか?


立照はそのうち一度は亜乃瑠あのるの股を開いて確かめてみないといけない

と思った。

それは下ネタなんかじゃなく立照とっては大事なことだった。

と言いながら・・・ただスケベ心が働いてただけなんだけどね。


「はい、ご飯できたよ〜食べて、食べて〜」


亜乃瑠あのるは美味しそうにペペロンチーノを美味しい美味しいって言いながら頬張った。


「あのね、その茹で方、アルデンテって言うんだ」

「神戸のイタリアンレストランのマスター直伝だよ」

「適度に硬めに仕上げる・・・ここが難しいんだよね」


「硬いだって・・・ヤだ、スケベだね、タッちゃん」


「硬いじゃなくて硬め・・・なに想像してんのか想像つくけど、それは

そうね、明日の朝になったら僕の意思とは関係なく大きくなってるし硬くも

なってると思うから・・・今はね、パスタの硬さの話、麺の茹で方だよ」


とぅ〜び〜こんて乳。


※バイオロイドについて〜。

機械工学ではなく生物学的・有機物的バイオテクノロジーによって造られた

クローンを指す。

感情表現も運動能力も人間よりはるかに優れている。

未来SFでは「バイオロイド」中世〜近代SFでは錬金術によって造られたものは

ホムンクルスとして区別される・・・以上です。



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