第6話
「ねぇ! いちごくんじゃない?」
みかんちゃんに確認をするパパ。
「ううん、違うよ、いちごくんはこんなに大きくないから」
いったい何処が首なのか分からない首を左右に、大きくふって答えるみかんちゃん。
確かに赤い色は、同じだけど違うみたいだった。
では、いったい何ものなのだろうか?
「ちゅーー! そこのりんご娘をよこせ!」
と、そこへ一匹のネズミか現れた。
「りんご娘?」
パパとみかんちゃんは、同時に言った。
「お願いです! 助けてください!」
助けを乞うりんご娘。
「ちゅーー! おい! そこのみかん! 別にお前でもいいんだぜ!」
ネズミは、ヨダレを垂らしてみかんちゃんに威勢良く言った。
「いやぁーーん! 怖いっ!」
そう言ってりんご娘と一緒に、パパの後ろに回り込んで隠れようとするみかんちゃん。
「ちゅーー! こっちは腹ペコなんだよ! お前らまとめて食ってやる! ちゅちゅーー!」
勢い良く飛びかかってきたネズミ。
パシッーーン!!!
パパは、ネズミを片手で叩き落とした。
何故なら、みかんちゃんとりんご娘は、パパと同じ位の大きさだけど、ネズミは現実の世界と同じ大きさだから。
(うん? 待てよ、今更だけど私が読んだ絵本の内容と違うなあ……)
(もしかして、物語が一人歩きしていると言うのか?)
(それとも、私が迷い込んだせいで、何かが狂い始めたのか?)
(うーーん、分からん……)
突然考え込むパパ。
「ちゅっちゅーー! あなた!」
と、そこへネズミの嫁が現れた。
「あなた…… もういいのよ……」
「どうしてだ? こいつらを家に持って帰れば、子供達をお腹いっぱいにする事が、出来るじゃねぇか!」
「もう…… その必要もないの……」
「どう言う事だ!!!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます