驚愕!
第2話
~電車の中~
シルバーシートに座った女性はぐったりしており、顔は青ざめていて、とても話せる状態では無さそうである。
私は、暫く女性を見守りながら、電車に揺られていた。
ガタン ゴトン。
ガタン ゴトン。
ガタン ゴトン。
(車内アナウンス)
三河島ー。
三河島ー。
女性の体も少し回復したのか。
女性「…ありがとうございます…。」
周りの雑音に、かき消されそうな小さな声でそう言って来た。
私は、その小さな声を汲み取り、少し微笑んだ。
私「怪我はない?」
女性は小さく頷いた。
私「これから仕事?」
小さく頷く女性。
私「そんな体で働けるの?」
女性「大丈夫…もう一人のあたしに切り替わるから…。」
私「…?」
私は耳を疑った。
女性「あたし…多重人格者でパニック症なの…。」
と言いながら、いきなりGジャンの袖を捲り上げた。
私は驚き、目を疑った。
私「…。」
捲り上げられた手首には無数の傷跡がー。
女性「あたし…気がついたら…リストカットしていて…。」
私「…。」
私は、言葉を失い、その痛々しい手首を見つめる事しか出来なかった。
ガタン ゴトン。
ガタン ゴトン。
ガタン ゴトン。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます