衣装完成

第64話

「あっ大事なものを忘れていた」




「何ですか?大事なものって」




「これだよ、これ!」




「はい、出来上がり」




そう言って、ネズミの耳が付いたカチューシャを次郎の頭に装着した。




「これ、そんなに大事ですか?」




声を荒げてー




「大事だよ!」




「そうですか…」




しかし、よく見るとネズミの耳が片方なかった。




「ああ、それね」




「ネズミにかじられて無くなちゃった」



「それじゃぁ共食いじゃないですか」




「ウマい事言うな次郎」




小声でー




「別にウマく無いけど…」




「よし、お前のステージ衣装も決まったし、少し練習するか」




「どこで?」




「どこでって表に決まってんだろ!」




「取り敢えず今日は部屋の中でやりましょうよ」




「心の準備が出来るまで…」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る