貴方を好きになりました

びび

※はじまり

第1話

念願叶って、やっとの事で寮を出て一人暮らしを始めた。


そして今日、初めて独りの部屋へと帰る。


ジャケットを脱ぎ薄着になった肌に、春の風が少しだけ寒いと感じた。


車から降りマンションのエントランスへと向かう途中、見てはいけないものを見てしまう。



タイミングが悪いとは良く言われる。


そのまさにタイミングが悪い俺だ。


男女のイチャイチャを一人暮らしを始めた俺に見せつけてくれるなっての!


男の顔はわからなかったが、女とは、目があってしまった。


おいおい、キスしてる時って目開けてるもんなのか?


と、思ったが…


その後、目を反らせなくなった。


開けていた目には涙をいっぱいためている。


気まずいのはお互い様ではないのか?


俺だけが動揺していたのか、キャプのつばを下に下げ、その場を通り過ぎた。

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