第26話

沢山あった食べ物はこの人が来る事をわかっていた様で…


「やけに準備がいいよね!今日じゃまだ早いかと思ったんだけど、明日は俺が忙しいからさ」


「ようするに今日は暇だったって事だろ」


杉本の隣でクリスマスケーキを箱から出しながら先輩は終始笑顔を絶やさないけれど…



「出来る事なら食べたら帰れよ、こっちは疲れてんの!わかる!」


あから様に嫌な溜息を吐いた杉本とは反対に受験生の先輩が余裕の笑み。


「っか受験生こんな事してて良いわけ?」


「あれ、俺言ってなかったけ?秋には指定校で受かってるから」


「えっ、一般受験するって言ってたじゃんか」


「あぁそれ、辞めたよ」


荻野先輩が来る事を杉本は予測していたようだったけれど…


来たらきたで、嫌な顔を本人の前でわざとしている。


この二人のこの関係は何時からなのだろうか…


ほんの少し羨ましく思うのは私にはそういう、友達が居ないからだ…

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