第4話

部屋の中から慌てた声の主が素肌にアウターを羽織って顔を覗かせた。


肩下まで伸びた髪を手でかき上げながら、先に顔を出していた人を強引に部屋に押し込みながら


「ごめんなさい、あたしとした事が、寝坊ね…」


本来ならこの人は、寒いから部屋に入って!

などと、言う人なのだが…


場が悪かったと、香はいたたまれない気持ちになって、視線は外を見たままである。


「あの、向こうで待たせてもらってますね」


と、その場を離れた。




電話すれば良かった…

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る