非難

今日は多分家に帰ることはないなと思った私はケイさんの部屋に入る前に親に連絡を入れ、インターフォンを鳴らす。


すると私の好きな音がやってきて扉が開いた。


ケイ「お疲れ。買ってきた?」


優愛「うん。」


私は家に行く前にお願いされたおつかいをしっかりこなしたことを見せつけるように手に持っているコンビニ袋を胸上にあげる。


すると、ケイさんは私の手からその袋を取ってお礼を呟くとそそくさと部屋に入っていった。


やっぱり、白波さんより扱いが雑だなと思ってしまうけど、恋愛フィルターでどうしても嫌いになれない。


ケイ「バイトって何してるんだっけ?」


と、私が買ってきたいちごオレを幸せそうに飲むケイさんは何度か話したバイト先のことを聞いてきた。


優愛「カラオケ。」


ケイ「俺もちょっとやってた。」


優愛「ちょっと?」


ケイ「そう。客のノリがだるくてすぐ辞めた。」


私は楽しめちゃったけどなと思いつつ、ケイさんの気持ちに共感するフリをしながら白波さんにもらったレモンジュースを飲みきった私は思い切ってケイさんの腕に抱きついてみる。


ケイ「疲れてる?」


優愛「ううん。」


初めてと言っていいくらい人に甘える姿を見せた私は恥ずかしさで顔が熱くなるのを感じ、赤い頬を見られないように肩に頭を置く。


ケイ「疲れてるじゃん。帰る?」


優愛「…え。」


私はまさかの返しに驚いて顔を上げると無表情のケイさんが目の前にいた。


ケイ「明日も学校でしょ?帰れば?」


じゃあ、なんで今日来てってメッセージ送ってきたの…?


今日は泊まる前提で呼んでくれたんじゃないの?


本当に体だけって感じでちょっと嫌だよ…。


優愛「…かえる。」


この家の全てに耐えられなくなった私はケイさんと顔を合わすことなく、外に出て逃げるように駅に向かう。


けれど、どうしても今日は家に帰る気分になれないし、帰らないとメッセージで送ってしまったから帰る場所なんてない。


だから私は大人しくもう一度インターフォンを押す。


するとさっきとは違う音がして扉が開いた。


「あれ、どうしたの?」


と、半裸の白波さんはとても驚いた顔をしながら濡れた髪の毛をタオルで拭く。


優愛「泊まる。」


白波「どうした?喧嘩した?」


優愛「そんなとこ。」


私は喧嘩してる相手を勘違いしてる白波さんの家に押し入り、屋根がある場所に入れてもらう。


白波「飯食った?」


優愛「いらない。」


白波「ガチギレじゃん。」


そんな当たり前のことを言う白波さんを無視して私はすぐにベッドへ倒れた。


白波「可愛いパンツ見えてるよー。」


そう言いながら白波さんは私のめくれたスカートを直し、下半身にブランケットをかけた。


優愛「可愛くない。」


私はケイさんになんとも思われなかったパンツにも腹が立ち、芋虫のようにベッドでのたうち回りながらパンツも制服も脱ぐ。


すると背後から伸びてきた手がブラのホックを外し、胸元にやってきた。


白波「なに?なんでそんなに怒ってんの?」


優愛「知らない。」


白波「もー…。少しくらい頼ってよー。」


そんなことを言いながらも白波さんはケイさんと似た思考らしく、雑に服を脱いだ私の体に指を這わせてくすぐってくる。


白波「俺のこと、ストレス発散に使っていいよ。」


優愛「…いい。」


白波「大体のことはヤったらスッキリするから。どうしてほしい?」


優愛「死んじゃうくらい頭おかしくなりたい。」


白波「んー、まあ頑張ってみるよ。」


と、白波さんは私の体を表向きにして腰の下に使っていたタオルを敷くといつもより丁寧に長く、反応をしっかりと伺いながらだんだんと私の脳みそを溶かしていく。


優愛「…も、…いいっ。」


いつもとは違う体の反応に追いつけない私は白波さんの手を止めようとすると、片手で簡単に封じられてしまった。


白波「気持ちいいね。潮は吹ける?」


勘違いをしてる白波さんは私の中を掻き回し、ぐるぐると溜まっていた膿を吐き出させるように一定のリズムで指を動かして私の初体験をまた奪った。


優愛「な…っ、これ…。」


白波「今日はずっと我慢なし。いっぱい気持ちよくなろ。」


私は自分とは思えない声を吐き出しながら白波さんの指に全部の神経を管理され、今までとは違う満足感を得た夜を経験した。



環流 虹向/愛、焦がれ

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