嫌いだけど好き

第1話

「ねぇ、りん。

今日はうちで夕飯食べようか」



学校からの帰り道。

頭上から聞こえる愛しい声に顔を上げる。


手を繋いでいるせいか、いつもより近くてドキドキ。


大好きな彼だ。




「えっいいの?

じゃあ、着替えたら行くね!」



学校から徒歩でそんなに離れていない住宅街。


しばらく色んな話をしながら歩いてきた。


そろそろ目的地に到着しようとしている。



そして、ある一軒家の前に止まって、彼は私が入るのを見届けてから立ち去る。

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