第92話
女主人がトーストセットを運んで来たので、沈黙が落ちた。
今度はオリシアがぼーっとコーヒーカップの中を見る番だった。
キセキは美味しい朝食をもそもそと食べた。
「…オリシア?」
「うん…あたしのことは、時が来たら話すよ。必ず」
カップを見下ろしたまま、言う。
「わかった」
パンを飲み下してからキセキは返事をした。
話し声が上から近づいてくる。アスラットだとはっきりわかった。
「朝から元気だねぇ」
苦笑しながらコーヒーを飲み干す。
「はえーなー!」
「おはよう、キセキ」
「おはよう」
挨拶を交わしてる間にオリシアは宿から出ていった。
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