第19話

診察を終えた男が近づいてきた。

「その娘もか?」

「違います」

僕は立ち上がりリサを庇うようにした。

「お前、度胸あるな」

男がふんと笑った。


危険な目になら、旅でもたくさんしてきた。何度も死ぬ目に遭ってきた。

度胸だって付く。


「茨の道だぞ。いいのか?」

男は煙草をくわえた。火を点けてる間に、僕はリサを見て「元気でね」と笑った。

「さっつんもね」

リサの言葉に頷いて男を見た。

「連れていってください」

「まぁ、まだ選び直し利く範囲だからいいか」

男はくわえ煙草で頭を掻きながら言った。

「こい」

鞄を左手で持ち、右手を薄汚れた白衣のポケットに入れ歩きだす。

その後ろに付いて歩いた。


ホームレスタウンから然程離れていない所、だが確実に死角の場所にその「病院」はあった。

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