第2話
ハヤテは今日最後の患者のカルテを見る。
「……」
自然に眉間に皺が寄る。
南さんか…
ハヤテに見合い話を持ってくる中でも一番熱心なのが、この患者だった。
確かにこのおばさんは列記とした患者だ。
去年、胃潰瘍で入院、手術もした。
経過は良好…のはずなのだが、本人は不調を訴えてくるのだ。
それを診察するのは一向に構わないのだが、見合い話をされるのがツライ。
「こんにちは」
思い切り営業スマイルのハヤテに、南のおばさんもにこにこと笑う。
「どうもぅ」
「…なんだか、いつもと違いますね?」
南のおばさんはウフッと含み笑いをすると、持ってきた紙袋から何かを取り出した。
開かれたそれは『お見合い写真』だった。
「これ、私の娘」
とうとう写真まで持ってきて来られてしまった。
「た、確か、ゆう子さん、ですよね」
笑顔がキープ出来ず、ひきつるのが自分でよくわかる。
忘れるはずもない。
診察のたびに話を聞かされるのだ。
サブリミナル効果だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。