第2話

ハヤテは今日最後の患者のカルテを見る。

「……」

自然に眉間に皺が寄る。


南さんか…


ハヤテに見合い話を持ってくる中でも一番熱心なのが、この患者だった。

確かにこのおばさんは列記とした患者だ。


去年、胃潰瘍で入院、手術もした。

経過は良好…のはずなのだが、本人は不調を訴えてくるのだ。

それを診察するのは一向に構わないのだが、見合い話をされるのがツライ。


「こんにちは」

思い切り営業スマイルのハヤテに、南のおばさんもにこにこと笑う。

「どうもぅ」

「…なんだか、いつもと違いますね?」

南のおばさんはウフッと含み笑いをすると、持ってきた紙袋から何かを取り出した。

開かれたそれは『お見合い写真』だった。

「これ、私の娘」

とうとう写真まで持ってきて来られてしまった。

「た、確か、ゆう子さん、ですよね」

笑顔がキープ出来ず、ひきつるのが自分でよくわかる。


忘れるはずもない。

診察のたびに話を聞かされるのだ。

サブリミナル効果だ。

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