第65話

サリッシュはまた目眩がした。タムタの肩に手を掛けて立ち止まる。


また何もない……

何もないのに気配がある…


「ごめん…」

「明日にするか?」

「平気」

サリッシュは積んである箱の上に腰掛けた。

「特別警護なら出来ると思う。レッドは素性わからない人間だから」

「ああ……記憶も戻らないしな」

お前も素性はっきりしないだろ。放浪者。サリッシュを見下ろしながらタムタは目を細めた。相手が俯いているから出来たこと。

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