第74話

お会計を終わらせて、私の前で立ちながらアイスを口にして、「美味いー」って言いながら食べてる。


「…菜穂ちゃん、沖縄旅行で百崎アヤメに嫌がらせされた後のこと知らないでしょ?

気を失ってたし」


「はい…」


「あの時亜夢ちゃん、菜穂ちゃんの為にめっちゃキレてた」


— 「菜穂ちんに何かあったらあんたのこと絶対に許さないから!」


「百崎アヤメに殴りかかりそうな勢いでホントに凄かった。

でも、菜穂ちゃんのことを本当に大切に想ってて、いい子なんだなーって思ったんだよね。

友達の為にあんなに真剣になって」


「知らなかったです…」


そんな事あったなんて、亜夢は言わないから。


「元々ノリもあっていいなーとは思ってたけど更にいいなーって」


「し、真剣なんですよね?」


「うん?本気で好きかも」


サラッと私に答える。


「なんか、玲央と菜穂ちゃん見ていたら。

本気に恋愛するのも悪くないかなーって」


「え?」


「ご馳走様」って言いながら泉くんは店を出て行く。


「あ、待って!!」


泉くんを追いかける。


「菜穂ちゃん?どうした…「あの!お願いがあるんですけど!!」

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