第57話

ニヤつく翔を無視し、いつもの席に腰掛け、メニューを見ずにコーヒーを頼んだ。


「あら、お酒じゃなくていいの?」


「さっき飲んできたから今はいい」


今日は呑む気分じゃない


「ああ、そう。了解...あなたは?」


何かを察した三苫は翔に視線を移した。


翔は、メニューをひと通り見たあとビールを頼んだ。


「よかったら三苫さんもなにか呑んでください」


「あら、ありがと♪」


「すぐにレディにドリンク勧めるなんて慎ちゃんと同じでジェントルだわ~♡」なんて言いながら三苫は喜んで2人分のビールとコーヒーを作って持ってきた。


「さあ、乾杯しましょ♪」


乾杯した後、三苫はパソコンを取り出した。


「全部教える、でいいわね?」


「ああ、頼む」


さっきの緩い空気から、ピリついた空気に変わる。



「わかったわ」


そして、話し出した。

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