謎の女

第38話

--新藤裕side--





女が去った屋上の扉を見つめた。


「何だよ、あの女。うぜえ」


フェンスにもたれながら座り込み、そう放つ慧悟。


……おまえ、あの女が嫌いか


「違う。杵崎藍ちゃんだよー」


笑顔で慧悟に近づく竜雅。


竜雅は嬉しそうだ、女が気に入ったのか。


「あの子、面白いね」


そう言って、俺に近づく暁。


暁も気に入ったみたいだな


「…ああ。面白い奴だ」


俺もそう思う、でも……



「…目に、光がなかった」


女の目には光が無かった


何を背負って生きているのか


それが知りたくなった


一人で背負わずせめて半分は俺に預けてほしい。


出会ってそう思った

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