***
物心ついたら、いつもひとりだった。
ひとりだと思ってた。
もしかしたら、私を気にかけてくれていた人が、過去にいたかもしれない。
けど私は、それに気付いていなかった。
気付こうとすらしていなかったのかも。
淋しい、助けて欲しいなんて思いながら、差し伸べられた手をことごとく無視していたんだ。
いくら助けの手があっても、それを掴まなくては上にはあがれない。
それを掴まなきゃいけないのは、私自身。
なのにそれもしないで振り切って、私は孤独なんだ、誰も救ってくれないんだってひねくれてた。
そしていつしか、救って欲しいと思うことさえ諦めた。
そんなのは恥ずかしい、ダサいことなんだと思う様になった。
だから自分が得をする場面でだけ笑って、それ以外は他人に興味がないフリをしてた。
でも本当は、強く強く憧れていた。
愛し、愛されることに。
本当はずっと、出会いたくて仕方なかった。
私を愛してくれる人に。
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