第35話

なんて言えず…



無言で靴を脱ぎ揃えて、男の元へ行った。



「お前、意外に礼儀なってんだな」



こいつ…


あたしの事どんな奴だと思ってたんだ。



仮にも女だ、礼儀は当たり前だろ。



あたしは男の言葉にムカついたから無視をした。



「無視かよ。別にいいけど、おっ。着いたぞ」



男は、大きな襖の前に立ち止まった。



中から気配が感じる。



それも一つではない。



三つ…いやそれ以上。

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