第30話

男の顔は驚いていたが、それも一瞬だった。




まるで自分の予想が当たったかのような顔で。




「やっぱりな。そんで今日は何をしに来たんだ?」




『お前には関係ねぇよ』




「はいはい。つーかお前家あんの?」




『はぁ?』



あまりにも唐突な質問に思わず変な声が出た。



普通そんな事聞いてくるか?



もっと他にあんだろ。



「お前、寝てねぇだろ?それにちょっと臭ぇ」



男はあたしを見て、顔を歪めながら言ってきた。



今の言葉は流石に傷ついた。



女に臭いって言うなんて



あっ!男の格好してるからわかんないのか。

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