第112話

「本当はみんなにとっての千歳ちゃんは、どうでもいい人間でしょう」


千歳は、彼女を殺すことに決めた。



「誰を傷つけることもないし、特に面白い子ってわけでもない。わたしにとってもそうだよ。千歳ちゃんが試験管ベイビーで、人造人間だろうが、関係ない。そんな子に、どうしてかまうの。どうでもいいなら、放っておけばいいのに」


その和菜の言葉にクラスメート達は、口をつぐんだ。


その通りだったからだ。


千歳の真実の姿は、どうでもいいのだ。

それなのにどうして、自分達は、千歳にかまっていたのだろう。


魔女狩りの標的として担ぎ上げておきながら、何も持たない、ただの千歳など、なんの価値もないものだと気付いた。


崩壊した。


築き上げた砂の城が、和菜の足に踏みつぶされ、形を失った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る