第57話
すると、そこには、瑠奈と明美と小枝の連名が書かれた紙があった。
自由帳から一枚はぎ取ったものだろう。右端がボロボロになっている。
そして、その紙の連名のてっぺんには、トモダチ契約書という文字があった。
「トモダチ契約書」
「そう、トモダチだっていう証明書でもあるよ。みんなで書こうかって話になって、わたしも誘ってもらえたんだ。だから、千歳ちゃんも一緒に書こうよ」
と、和菜が説明をする。
明るい笑顔の和菜に、後ろの瑠奈と明美はつまらなそうな表情をしていた。
瑠奈は、こう考えていた。
トモダチ契約書から、千歳の名前を排除して仲間外れにしようという。それが、瑠奈の考える無視であり、嫌がらせだった。
それが後からやってきた和菜によって、覆されてしまったのだ。
千歳は、そんなこととは知らず、この子たちは何を企んでいるのかと疑いながらも、恐る恐る連名に自分の名前を書き加えた。
「ありがとう。みんなトモダチだよ」
和菜は嬉しそうに、千歳の名前の隣に自分の名前を書いた。和菜につられ、笑顔になる千歳。
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