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「それでは次の方お願いします」
集団面接。
何度やっても緊張はする。
でも、口から出る言葉はもうスラスラ言える。
練習なんてしなくても大丈夫なくらい。
それくらい何回も何回も言ってきた。
もう完璧でしょう?
なのに、なんでそんな顔するの。
「今話題になっているいじめについて、どう考えますか?では、そちらから。」
なんでイジメ?会社関係ないし。もしかして…
「えっと…」
面接官の視線が私に突き刺さる。嫌な汗が浮かぶ。
どうしよう。
みんな知っている気がしてしまう。
面接官は私の過去をみんな知ってるんじゃないか。
だから、受からないんじゃない?
違うのに。私じゃないのに。
面接はグダグダだった。
途中まではよかったはず。
あのイジメの話から何を言ったのか覚えてない。
むしろ何も言ってないんじゃないかな?何話した?
多分ここもダメだ。
また一からやり直し。また一から…。
永遠のループ。
きっと私はこのループから抜け出せない。
なんで?私の何が悪いの?
違う。私のせいじゃない。
あの手紙のせいだ。
変な手紙の。
私は関係ないのに、なんなの?誰なの?ほんと、もう勘弁して。
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