【その①】


青野千夏あおのちなつ

私立文系大学に通う大学3年生。魚座。





これからちょうど魔の就活が始まる彼女は困っていた。



なんとなくの流れで生きてきた彼女は、大学もみんなが行くからという理由で進学した。


そのせいで、3年になった今も自分が何がやりたいのかわからないでいた。


なんとなく、OLとか、事務とかでいいや、という感じ。



でも、そんな、なんとなくで就職できる時代は彼女たちが生まれた時代に終わった。


しかも、今は超がつくほどの就職難と呼ばれる時代。学歴があっても就職できない時代。



そんな中、三流大学の文系に進学し、やりたいことも、自分の強みも見出せない彼女が就職できる確率は…?それをわかっている彼女は焦っていた。







「あーどうしよー。私絶対就職できないよー」


「まだこれからじゃん!」


「ひたすら説明会行きまくってるけど、行きたいところとか別にないし。やりたいことないし」


「これから自己分析しなくちゃいけないんでしょ?それからESの嵐…」


「あーまじ死ぬー。てか、もう死にたいわ」




そう言って、仲間たちと笑い合う千夏。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る