第70話

おはようというと薫さんはいつものように私を玄関に送る。そして行ってきますというと、気をつけてなという。薫さんは私を見送ると自分も仕事に行くのだ。今日、私は道さんのご家族に会うのだ。私の職場は警視庁特別捜査係、交渉課だ。そして道さんのご家族が来た。お茶を出して夕坂。後はお前の仕事だ。頼むぞというのだ。私は挨拶をした。私は夕坂と言います。と伝えた。ナオルがこちらは道さんのご家族の渡部剛さんといって紹介された。あんたが知ってる限りの事を教えてくれ。まず俺のじいじはなんで黄泉町に行ったかを知りたいんだ。という。これは私の記憶してる話になりますが、あなたのお父さんとお母さんはみちじいちゃんに女の子が欲しいとおっしゃられましたよね。そこに知り合いとして付け込んだのは刑務所にいた三好という人です。三好は罪を償ってもう犯罪には手は染めてはいないんですが、当時は父と母たちの仕事を手伝ったとされる人物なんです。

その三好から知り合いがいてそこに女の子がいるからというと、道じいちゃんを迎えに行き、車に乗せて運んだんでしょう。そこで私の母に養子縁組をしたいとお願いしてましたが、父と母は私を渡す気もなく、私は18歳になった時に売ろうとしていましたからね。それを知った道じいちゃんは私と街を出ようと計画していたみたいで、それがばれて・・・・。というと、その続きは僕が話しましょうというとナオルが剛さん、落ち着いて聞いてくださいね。道さんは山に生き埋めにされたと思います。この子はその事実を知らずに育ってきたんです。この子に罪はありません。という。と剛さんはこういった。そっか。道じいは、君をなあ。というと切なそうな顔になった。で、君はなんで交渉人になったのと聞いてきたので、私はある日あの街を脱走してきました。それは夕坂さんが私の生活をみて不憫に思ってそのままこの街まで連れてきてくれ、育っていくうちに、親に罪をもう重ねてほしくないと思ったからです。というとナオルがすみれちゃんらしいと思ったから僕が進めたんだよというから、お二人は知り合いですかと聞いてきた。夕坂さんは僕の同級生で命の恩人なわけでね。その子は夕坂さんの恋人さというのだ。へえ。そうなんですね。知り合いいやー同級生が夕坂グループで働いてて老け顔の落ち着いた感じの社長が経営してると聞いたものですからというのだ。でも社員を信頼していていい社長さんだって聞いてますのでというと、笑って答えてくれた。その後、その社員さんの名前を聞いて驚いた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る