第112話

真次君は臣の胸倉を掴んでいたけど、そう言った後に彼を包み込むように抱きしめた。



みんなのこの視線の中で、彼はギュッと抱きしめていた。





「なあ、臣。」



「……ん?」



臣のその声にはあまり気力がないような感じもしたけど、それでもその声にこたえる。



それを分かっていながらも、真次君は口を開く。





「俺“たち”じゃ、真野を幸せにすることはできないんだよ。」



胸が、チクリと痛む。




「俺たちの手では、真野を幸せにすることはできないんだ。」



どうして彼らはこんなちっぽけな私を本当に想ってくれているんだろう?



もう、胸が苦しすぎて、息ができないよ。



とっても、苦しいよ。

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